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骨盤臓器脱(股に何か挟まっている)

骨盤臓器脱の症状

  • 膣からなにか出てくる
  • ピンポン玉のようなものが触れる
  • 咳やくしゃみ、身体を動かした際に尿が漏れる
  • トイレが近い
  • 尿が出しにくい

このような症状の方は、「骨盤臓器脱」があるかもしれません。骨盤臓器脱とは、骨盤内の臓器(膀胱、子宮、直腸など)がだんだんと下がり、膣の入り口から出てくることを言います。骨盤は底に穴のあいた器のような形をしており、骨盤の底を骨盤底筋群と総称される筋肉や靭帯がハンモックのように吊り上げて支えています。

骨盤臓器脱の原因

出産や年齢を重ねていくことでこの骨盤底筋群がゆるみ、臓器が下垂します。肥満体型であることも腹圧がかかりやすいため、骨盤臓器脱になりやすいといわれています。骨盤臓器脱でお悩みの方は女性の10人に1人といわれていますが、恥ずかしさもあって誰にも相談できず、日常生活に支障をきたすなど悩まれている方が少なくありません。当院は女性院長(男性医師の曜日もありますので受診前にご確認下さい)が診察しております。お困りの方はぜひご相談ください。

骨盤臓器脱の診察の流れ

当院では尿漏れや骨盤臓器脱の検査、治療に力を入れており、詳しく調べさせていただくため初診の方には30分から1時間ほど検査にお時間をいただく場合があります。恐れ入りますが時間に余裕を持ってご来院ください。

1. 問診

まずは問診を行い、どのような症状があるのか、妊娠・出産歴、手術歴、生活習慣などを伺います。その後下記のような検査を進めていきます。

2. 内診

骨盤臓器脱は通常、内診を行うことにより診断することができます。プライバシーに配慮し、完全個室で行います。排便をするようにいきんだり、咳をしていただき腹圧をかけることで診断がしやすくなります。

3. 尿検査

尿検査は全ての患者様に行う大事な検査です。骨盤臓器脱が進行すると、残尿が増加し、尿路感染症を伴うリスクが高まります。尿の感染具合や血尿の有無、細菌がいないか、またどのような細菌に感染しているのか調べます。必要に応じて尿細胞診検査(尿の中に癌細胞が混じっていないか)も調べます。

4. 超音波検査

超音波検査はゼリーをつけて機器を体に当てる、痛みを伴わない検査です。骨盤臓器脱の症状であっても原因として泌尿器科の病気や子宮筋腫などが隠れていている場合があるため腹部に超音波を当てて調べることがあります。また、骨盤底筋が緩んでいないか、骨盤底筋体操を上手くできているかなど、陰部に機器を当てて診断します。

5. 膀胱鏡検査

尿道の入り口から細い径の内視鏡カメラを挿入して、直接膀胱内や尿道を観察することができる検査です。女性は尿道が短いため、痛みはほとんどありません。膀胱下垂の程度や、咳をした時に尿道が開きやすいか(尿漏れのしやすさ)など判断するために用います。

6. 尿流量測定検査

普段と同じようにお手洗いで尿をしていただくだけで排尿量や勢い、排尿にかかる時間がわかるため、膀胱の機能や尿道の異常を調べることができます。

7. 残尿測定検査

排尿直後に、膀胱内にどれくらいの尿が残っているかを調べる検査です。当院では超音波検査で診断しています。骨盤臓器脱により尿が出しきれず残尿感を感じたり、頻尿になったり、膀胱炎になりやすくなることがあるため、残尿量を確認しておくことが重要です。

骨盤臓器脱の治療

薬で治るのか?

骨盤臓器脱のある方に薬は無効なことが多く、根治させるためには手術療法が基本となります。しかし、実際のところ当院を受診する患者様は「いきなり手術はちょっと...」という方がほとんどです。手術を希望されない方や、臓器脱が軽度の方、手術がそもそも受けられない方には対症療法としてリングペッサリーを挿入する方法があります。

ペッサリー療法

当院では「ペッサリー外来」を行なっております。ペッサリーは腟に入れて下がっている膀胱や子宮などを支えるもので、形やサイズが色々あります。患者様にぴったりなサイズを相談させていただきながら合わせていきます。まずは保険適応のあるペッサリーから開始していきます。詳しくは以下をご覧ください。

ペッサリーについて

ペッサリー外来は予約制です。保険診療と自費診療があります。まず通常の診察にご来院いただき、骨盤臓器脱と診断された方のみご案内しております。

ペッサリー療法とは

骨盤臓器脱により、膣の入り口から出てきた膀胱や子宮、直腸などの臓器を膣内に納める方法です。骨盤臓器脱を根治するためではなく、臓器の下垂に伴う不快な症状を軽減・緩和する目的で行います。

当院ではまず唯一保険適応になっているウォーレスリングペッサリーを挿入します。白いリングの形をしており、サイズもたくさんあるため、内診で測って適したものを挿入します。小さすぎるとすぐ脱出してしまい、大きなものだと違和感や痛みが出ることがあります。患者様にピッタリのものを合わせるため、フィッティングに何度もお付き合いいただくことがあります。うまくフィットすれば、下がった臓器がしっかりともち上がり、違和感なく快適に過ごすことができます。

ペッサリーの価格と指導料について

医師と専門の看護師が完全予約制にて1対1でサポートさせていただきます。指導料として4500円 (税込)いたたいております。

ペッサリーはウォーレスリング以外にも様々な形状のもの(保険適応外)があります。脱出の程度や外性器の形により、初めからそちらをご案内することがあります。ウォーレスリングをご使用いただいている方も、装着に慣れてきしまたらなるべく体にご負担の少ない、柔らかい素材のペッサリーをご案内しています。こちらのペッサリーが11000円(税込)で購入いただくもので、自費になります。一度購入いただければ半年から1年間使用することができます。

ペッサリーの交換方法

ペッサリー療法には医師による1-3ヶ月おきの定期交換と、患者様ご自身で出し入れをしていただく自己着脱の2種類があります。

1. 1-3ヶ月おきの定期交換の場合

1ヶ月から3ヶ月ごとに受診して膣内の状態の確認と洗浄を行い、ペッサリーを交換します。

メリット

陰部を触ることが怖い方や、指に力をいれにくい方などには適した方法です。医師が交換するため、患者様がご自身でペッサリーを管理する手間を省くことができます。

デメリット

同じものを長期間体内に入れたままにしておくと、膣粘膜に炎症を起こし、おりものや出血、不快感が生じることがあります。

2. 自己着脱型の場合(おすすめ)

メリット

最初は難しいと感じる方や抵抗がある患者様もいらっしゃいますが、当院では医師や看護師がマンツーマンで指導させていただくためご安心下さい。一度習得してしまえば簡単に行うことができます。入浴前に外し、起床したら挿入するのが基本的なスタイルになります。数日間の旅行であればいれたままでも問題ありません。

デメリット

慣れるまではきちんと挿入できず、脱落したり、違和感がでることがあります。

ペッサリーの他にも、ショーツの上から履くだけの「骨盤底サポーター」ご案内もあります。

当院のペッサリー外来は女性院長と女性スタッフのみで診療しておりますのでご安心ください。

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